本コーナーは、恐慌の現実に翻弄される日本企業の実態をリポートしたドキュメントである。
(4)日本経済崩壊のタイムリミット
元金融機関経営者であるA氏(現在、コンサルティング会社社長)との会話の続きである。中小企業金融円滑化法による中小企業の「借金猶予」の再延長は、結果として日本経済を破綻へと導く可能性をはらんでいる。
A氏との話し合いは再延長後の「恐怖のシナリオ」に及んだ。
―― 「借金返済」の期限が延び延びになれば、誰だって一息をつきたくなる。それがいまの中小企業金融円滑化法の弊害なわけだけど。
危機感が薄れてしまうだけ。それは大変危険なことなんだ。400万社あると言われる国内企業のうちの43万5271社が『借金返済を待ってくれ』と言ってきている。全体の10%の企業が、だよ。日本の労働人口は6000万人ぐらい。その10%としたら、600万人。大手と中小を一緒にしての数字なので一概には言えないものの、借金で大変な状態の企業が40万社以上あり、そこで働く600万人もの社員が借金地獄のドロ船に乗っているに等しいわけだ」
―― しかし、生活保護受給者が207万人と戦後最大を更新し、うつ病が400万人とも500万人ともいわれ、増え続けている。そんな状況下、600万人の雇用が借金の猶予で維持されているのだとしたら、この国はもう、事実上の経営破たんにあるに等しいだろう。
「大企業が本社機能まで海外移転を検討している現実は、それを見越してのことだろう。一部の大企業はまだその先を見ているから、マシな方」
―― しかし、日本企業の99%は中小企業なわけで、中小企業の復活なくして、この国の未来はない。
「残念ながら、現状ではその可能性は極めて低い。むしろ中小企業金融円滑化法の再延長期限である平成25年3月。痛み止めが受けられなくなるこのタイミングが、日本経済崩壊のタイムリミットになるシナリオは否定できないね」
(つづく)




